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甘く、深く、繋がって
第10章 戻れない日常
のしかかられる重さが心地良い。
角度を変えながら深く交わる口付け。
両手を絡めて頭の上に縫い止められた。動きを制限されて

あっ……んっ……
……だ、め……

絡む舌の快感に早くも頭の芯が痺れてく。
チラリと浮かんだ嫌な言葉

『女の子はセックス出来れば良いんだって』

違う、斎藤さんじゃない……

そう信じたいのに、一度浮かんだ黒い染みを真っ白に戻す事は困難で

ヤ ダ、シたく……ない

そう、思ってしまった。

斎藤さんのキスはいつも私をダメにする。深くなればなる程溶かされて、乱される。……欲しくなる。
「んんっ……やっ」
ヒクンと疼く身体の奥深く。必死になって身体を捩った。
両手を押さえていた斎藤さんの手が離れる。唇も解放されて、深呼吸。
「……ごめん。そんなに嫌だった?」
私の頭の左右に手を付いた斎藤さんが見下ろしてくる。艶をまとった穏やかな笑顔。その瞳は緋色の熱を帯びたままで、追い込まれるようにお腹が疼く。
「きょ、今日は体調悪いから……」
「うん、分かってる。そんな激しい事するつもりないけど?」
ふっと笑って身体を起こし、私の事も腕を引き上げて座らせてくれた。
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