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甘く、深く、繋がって
第10章 戻れない日常
ポンポンと頭を撫でて
「真純が嫌ならしない」
優しい微笑み。その笑顔に胸がギュッと痛くなる。

やっぱり、斎藤さんじゃないもの……

「何て顔してるの?」
少し眉を下げた笑みで、頭を抱き寄せられた。
「俺が機嫌悪くすると思った?」

そう、じゃない

黙って首を振った私にふっと笑う。
「真純の体調悪いのに襲ったり、嫌がってるのに無理やりしたりする訳ないでしょ?鬼畜生じゃないんだし」
言葉を切って今度はクスリ。
「まぁ俺は男だし、欲も色々強い方だから?真純の身体、いつも欲しいよ?エロい事たくさんしたい」
そう言って覗き込んできた緋色の瞳に身体が固まった。
「でもね、それと同じくらい、それ以上に心も欲しい。真純に俺の事、好きになって欲しい。……真純から俺を、求めて欲しい」
艶を増していく瞳に心臓がドキンと跳ねる。
「俺ね、欲張りなんだ」
ふぅと弧を描いた目。長い睫毛に縁取られ、ゾクッとする程色っぽい。
見惚れるままに唇が重なった。チュルと舌先を吸われ
「ふ、ぅん……」
甘えた声が出る。
さっきまで嫌だったハズなのに、優しく絡む舌が気持ち良い。
斎藤さんがふっと笑った。
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