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甘く、深く、繋がって
第3章 再会
斎藤さんの事、知ってるのは仕事だけ。それも彼の自己申告。
『グラン・ブルー』にはよく行くけど、キッチンの人は気にしてみたことがない。斎藤さんみたいな人、いたかなぁ……
こんなに気になってしまうのは、いわゆる一目惚れ?
ちらりと浮かんだかつての恋人……
ギュッと胸が苦しくなって考えるのを急いで止めた。
もう、あんな思いはしたくない。
恋なんてしない。
そう思っていたはずなのに……
斎藤さんのレストランは結システムのオフィスビルの三つ隣。会おうと思えばいつでも行ける距離。
でも、まだ行ってない。
本当にそこにいる?
私の事、覚えてくれてる?
そう思うと会いに行けない弱気な私。
でも、送ってもらったお礼は、言わなくちゃ……
散々迷って躊躇して、私が『グラン・ブルー』の扉に手を掛けたのは、街が紅葉に染まってからだった。
ランチには遅く、お茶には早い。そんな時間。
お店には数人のお客さんしか居なかった。
「いらっしゃいませ」
いつもにこやかなウェイターさんに迎えてくれる。
「今日はお一人ですか?」
「あ、はい」
「ご案内致します」
『グラン・ブルー』にはよく行くけど、キッチンの人は気にしてみたことがない。斎藤さんみたいな人、いたかなぁ……
こんなに気になってしまうのは、いわゆる一目惚れ?
ちらりと浮かんだかつての恋人……
ギュッと胸が苦しくなって考えるのを急いで止めた。
もう、あんな思いはしたくない。
恋なんてしない。
そう思っていたはずなのに……
斎藤さんのレストランは結システムのオフィスビルの三つ隣。会おうと思えばいつでも行ける距離。
でも、まだ行ってない。
本当にそこにいる?
私の事、覚えてくれてる?
そう思うと会いに行けない弱気な私。
でも、送ってもらったお礼は、言わなくちゃ……
散々迷って躊躇して、私が『グラン・ブルー』の扉に手を掛けたのは、街が紅葉に染まってからだった。
ランチには遅く、お茶には早い。そんな時間。
お店には数人のお客さんしか居なかった。
「いらっしゃいませ」
いつもにこやかなウェイターさんに迎えてくれる。
「今日はお一人ですか?」
「あ、はい」
「ご案内致します」