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甘く、深く、繋がって
第11章 夢の国、リベンジ
小さく息を吸って
「……す、好きです」
告げる声が震えた。

あ、だめ……
涙……出ちゃう

鼻の奥がツーンとして、目が熱い。浮き上がる涙を止める術はなくて、はたと瞬きをした瞬間に目尻から転がり落ちた。
「……真純」
優しく私を呼んで、チュッと涙を吸い上げる。
「泣いてしまうほど、俺が好き?」
聞かれてコクンと頷いた。

斎藤さんが好き……

涙で滲む斎藤さんの目が弧を描く。私の好きな柔らかな笑み。いつもに増して艶を帯びた、極上のシンメトリー……
「俺も好き。真純が好きだよ。……ずっと俺の傍にいて?」
何処か切なく聞こえた声音に不安になって、ギュッと斎藤さんに縋り付く。
「傍に、居たいです。居させて下さい」
肩の下に滑り込んで来た腕に抱き締められた。
耳元に感じる熱い吐息。
「真純……」
私を呼ぶ斎藤さんの腕に力が籠もった。息をするのも難しいほどに抱き締められて伝う涙。
「っふ……うん」
しゃくりあげるのを止められない。

大好き……

溢れる気持ち。
斎藤さんが腕を解いた。頭を起こして私を見下ろす。
涙をキスで拭われて
「愛してる」
響いた優しいテノールに心が震える。
溢れる涙をそのままに斎藤さんに縋り付いた。
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