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甘く、深く、繋がって
第11章 夢の国、リベンジ
右手に絡む斎藤さんの長い指。形を確かめるように私の指をなぞり、ツイッと手の平を撫でる。みぞおちの辺りがソワソワする。知らず、竦む肩。
「はぁ、ん……」
ビックリする程甘えた声が零れて、慌てて左手で口を押さえた。
ふっと斎藤さんが笑う。

や、だ……
ダメ、お腹シュクシュクする

力の入らない手で、斎藤さんの指をキュッと挟んだ。
「や、やめてください」
「どうして?」
相変わらず耳元で、低く抑えた声で聞かれてゾクッと背中が震える。

どっどうしてって……

何と伝えれば良いのか、回答に困って斎藤さんを見上げる。視線が絡んで、スゥッと目を細められた。艶をまとったシンメトリー。麗しい眼差しがフワリと綻んで
「感じた?」

っ!

紡がれた言葉にカッと全身の熱が増した。
足が地面に縫い止められる。
恥ずかしさのあまり俯いて、落ち着かない。
また、親指にツツッと手の平を撫でられた。
「やっ……」
ゾクッと背中が震え、堪えきれずに手を振った。当然それ位で斎藤さんが離してくれる訳もなく。
「おいで」
口調は柔らかく、でも拒めない強さで手を引かれた。
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