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甘く、深く、繋がって
第12章 軋む心
「会社で倒れたって、大丈夫?」
ベッドの脇から身を屈めて覗き込んでくる。
どう、して?
「すみません、私がご家族に連絡しました」
田中さんが遠慮がちに横から教えてくれた。
あぁ、そうか……
そうだよね
納得する私の横ではるちゃんが姿勢を正した。
「失礼しました。田中さんでいらっしゃいますか?この度は色々ありがとうございました。姉の河合悠です」
田中さんに何度もお礼を言いながら、状況を聞いて
「気分はどう?」
改めて私の枕元に腰を下ろす。
「頭痛いけど、大丈夫」
「うん。帰れそう?」
心配そうな目。キューッと胸が熱くなった。
「帰り、たい……」
「分かった。一緒に帰ろう。あと二時間で仕事終わるんだけど、それまで待てる?」
「……待ってる」
「うん。じゃあ先生と話してくるね」
はるちゃんは柔らかい手で私の涙を拭って立ち上がった。もう一度田中さんにお礼を言って、残っていた看護師さんと一緒に出ていった。
「お姉さん、来てくれて良かったね」
「はい。ありがとうございます」
田中さんがごく自然にベッドサイドの椅子に腰掛ける。
「あ、あの、今何時ですか?」
「三時半に、ちょうどなったところ」
腕時計に目を落としてニコリと笑った。
ベッドの脇から身を屈めて覗き込んでくる。
どう、して?
「すみません、私がご家族に連絡しました」
田中さんが遠慮がちに横から教えてくれた。
あぁ、そうか……
そうだよね
納得する私の横ではるちゃんが姿勢を正した。
「失礼しました。田中さんでいらっしゃいますか?この度は色々ありがとうございました。姉の河合悠です」
田中さんに何度もお礼を言いながら、状況を聞いて
「気分はどう?」
改めて私の枕元に腰を下ろす。
「頭痛いけど、大丈夫」
「うん。帰れそう?」
心配そうな目。キューッと胸が熱くなった。
「帰り、たい……」
「分かった。一緒に帰ろう。あと二時間で仕事終わるんだけど、それまで待てる?」
「……待ってる」
「うん。じゃあ先生と話してくるね」
はるちゃんは柔らかい手で私の涙を拭って立ち上がった。もう一度田中さんにお礼を言って、残っていた看護師さんと一緒に出ていった。
「お姉さん、来てくれて良かったね」
「はい。ありがとうございます」
田中さんがごく自然にベッドサイドの椅子に腰掛ける。
「あ、あの、今何時ですか?」
「三時半に、ちょうどなったところ」
腕時計に目を落としてニコリと笑った。