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第12章 軋む心

『はっ……ますみ』
『あっ、んっ……さいと、さ……』
押し寄せる波に全身が小刻みに震え初めた。
『はぁ、やっも……だめ、だっ……めぇっ』
途切れがちな私の声に斎藤さんの動きが激しさを増す。
『っと真純、可愛い……良いよ、イって……俺も、イく……』
少し上ずった甘い声。
ゾクゾクとお腹に響いて追い詰める。滑り落ちてきた右手。溢れた密を擦りこむように秘芯を弄られて
『やあぁっ、ぁあっ』
目の前に火花が散る。うねりを強め、斎藤さんを締め付ける。
『っはぁ……まっすみ！』
少し擦れた斎藤さんの甘いテノール。切なく呼ばれて身震いがする。繰り返し深く責められて、狂う、咲く……
『ぁあんっ、もっ……めっ、さい、とぉっさ……ぁああああ！』
一際深く斎藤さんを飲み込んだ。全身が痙攣する。私は意識を飛ばし、そのまま崩れ落ちた...


花火を見る余裕なんて全くなかった。それ位めちゃくちゃに乱されて、でも幸せだった……
斎藤さんの愛を、感じてた……

ねぇ、それは幻想なの？
私、愛してもらえてる、よね？
あの人の言葉が真実じゃないよね？

「真純」
ふわっとはるちゃんに横から私を抱き締められた。
「ご飯、出来たよ」