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甘く、深く、繋がって
第13章 苦い惑い
会いに行った真純は足元が頼りなく、昨日貧血で倒れたとかで顔色も良くなかった。
顔を見て安心したい。俺の都合で、風呂も入らせずに待たせてしまった事を後悔した。
『二十五日、楽しみにしてる』
そう告げて、真純と別れた。

倒れる程の貧血って、ちゃんと食べてんの?どっか悪いんじゃねえの?
昨日姉の家に泊まって今日休んでんだから、病院には行ったよな?

力なく、笑顔のぎこちなかった真純。
嫉妬とか独占欲とか、そういう事じゃなく、一緒に暮らしたい。傍にいて守りたい。

……もう一度、話してみるか?

途中立ち寄った家の近くのコンビニ。奥の冷蔵庫からペットボトルの水を取り出して、不意に甘ったるい臭いがした。
「よく会うね、拓真」
後ろに立っていたのは昨日も会った、やっかいな女。

……もしかして、真純のマンションも付けられた?

ニタリと笑うみゆきの細められた目に、彼女の危険さに思いが至った。

こいつの排除が先だな

「お前ストーカー?」
「ぇえ?彼女に向かって何それ?」
大袈裟に驚くみゆきに背を向ける。
「繰り返すけど、付き合ってないから」
「またぁ、照れない照れない」
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