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甘く、深く、繋がって
第16章 過ぎ去らざる戒め
「道理で拓真があなたみたいな子に執着する訳よね」
道理で、執着?
斎藤さんが、私に?
……何が、言いたいの?
「啓太、逢いたがってたわよ。あなたとのセックスが忘れられないって」
……啓太……忘れられないって……
斎藤さん、も……執着してるの?
……セックス、に?
「だから教えておいてあげた。こことあなたのマンションと」
三日月の様に上がった口角。頭から音をたてる勢いで血の気が引いた。
……や、だ
逢いたく、ない
背中をゾワリと這い上がる嫌な気配。
お腹の奥で黒く熱いモノが燻り出す。
必死に両脚に力を入れた。じゃないと身体が震えてしまいそうで。
「意外と平気なのね」
真正面から私を見下ろす冷たい目。
平気?
……な訳ない
「啓太に伝えておいてあげる。一応気にしてたみたいだから」
啓太に、会うの?
イヤ
何も、伝えないで……
拒む言葉を口にする事さえ怖くて、声が出ない。
再び口角を上げ、彼女がトイレから出ていった。
黙って後ろ姿を見送って、膝が震え出す。壁に寄り掛かるようにして身体を支えた。
……啓太の事を言うためだけ来たの?
私、見張られてる?
……どう、して?
道理で、執着?
斎藤さんが、私に?
……何が、言いたいの?
「啓太、逢いたがってたわよ。あなたとのセックスが忘れられないって」
……啓太……忘れられないって……
斎藤さん、も……執着してるの?
……セックス、に?
「だから教えておいてあげた。こことあなたのマンションと」
三日月の様に上がった口角。頭から音をたてる勢いで血の気が引いた。
……や、だ
逢いたく、ない
背中をゾワリと這い上がる嫌な気配。
お腹の奥で黒く熱いモノが燻り出す。
必死に両脚に力を入れた。じゃないと身体が震えてしまいそうで。
「意外と平気なのね」
真正面から私を見下ろす冷たい目。
平気?
……な訳ない
「啓太に伝えておいてあげる。一応気にしてたみたいだから」
啓太に、会うの?
イヤ
何も、伝えないで……
拒む言葉を口にする事さえ怖くて、声が出ない。
再び口角を上げ、彼女がトイレから出ていった。
黙って後ろ姿を見送って、膝が震え出す。壁に寄り掛かるようにして身体を支えた。
……啓太の事を言うためだけ来たの?
私、見張られてる?
……どう、して?