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甘く、深く、繋がって
第17章 仕置き
心配そうに覗き込んでくる斎藤さんの柔らかな瞳。そこに怖いと感じる様なモノは何もなくて、ざわざわしていた気持ちがじんわり和(な)いでいく。

……斎藤さんは、大丈夫

「怖い思いもして、疲れてるのにごめんね」
謝られて慌てて頭を左右に振った。
「だ、大丈夫です」
「うん、もう休もう。このまま寝ようか」
続く私をいたわる言葉に泣きたくなった。

私はこんなにも大事にしてもらってる……

「大丈夫です。お風呂、入ります」
「無理してない?」
「はい。本当に大丈夫です」
心配そうな斎藤さんに頷いて立ち上がった。
「……じゃあ真純から先に入って。何かあったら呼んでね?」
「はい」
頷いて、でもその場に佇む。

さっきの質問に、ちゃんと応えたい……

見上げた先で
「なに?」
斎藤さんが首を傾げた。
「あ、あの……」

斎藤さんは大丈夫

胸の中で呪文のように繰り返す。
「うん」
「……私、は……斎藤さんの、です」
「…………」
斎藤さんが大きく目を見開いた。じっと私を見つめ、キュッと眉を寄せる。ゆっくり目を閉ざして、はぁと息を吐かれた。
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