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甘く、深く、繋がって
第18章 真純と千佳と
ほっとして、でもさっき大きな声で名前を呼ばれてしまったせいで、こっちを見ている人がちらほらと目に入る。
「ごめん、遅くなって。嫌な思いさせたね」
眉を下げた千佳ちゃんに謝られた。
「ううん、ありがとう」
助けてもらったお礼を伝えつつも、早くここから離れたい。
「行こう?」
千佳ちゃんの袖を引いた。数メートルも進まないうちに、近くにいた女の子が寄ってくる。
「あの、モデルの千佳さんですよね?男装もめっちゃ格好いいです!握手してください!」
その勢いに瞬きをして、千佳ちゃんが伺うように私に視線を移した。
「あ、私は、良いよ?」
千佳ちゃんといると、こういう事は割とよくある。
「ごめんね」
私に小さく謝って、千佳ちゃんがニコリとその子に手を差し出した。
「格好良いかな?ありがとう」
それをきっかけに周りで様子を伺っていた人達が一斉に寄ってきて、私はその場から弾かれてしまった。
少し離れた所で握手したり、写メを撮ったりしている千佳ちゃんを改めて見直す。
今日の千佳ちゃんはモノトーンに色を抑え、キャスケットを深く被り、マフラーを緩く巻いて、男性物の細身のコートにストレートのパンツ、爪先の尖った革靴。何処から見ても男の人。
「ごめん、遅くなって。嫌な思いさせたね」
眉を下げた千佳ちゃんに謝られた。
「ううん、ありがとう」
助けてもらったお礼を伝えつつも、早くここから離れたい。
「行こう?」
千佳ちゃんの袖を引いた。数メートルも進まないうちに、近くにいた女の子が寄ってくる。
「あの、モデルの千佳さんですよね?男装もめっちゃ格好いいです!握手してください!」
その勢いに瞬きをして、千佳ちゃんが伺うように私に視線を移した。
「あ、私は、良いよ?」
千佳ちゃんといると、こういう事は割とよくある。
「ごめんね」
私に小さく謝って、千佳ちゃんがニコリとその子に手を差し出した。
「格好良いかな?ありがとう」
それをきっかけに周りで様子を伺っていた人達が一斉に寄ってきて、私はその場から弾かれてしまった。
少し離れた所で握手したり、写メを撮ったりしている千佳ちゃんを改めて見直す。
今日の千佳ちゃんはモノトーンに色を抑え、キャスケットを深く被り、マフラーを緩く巻いて、男性物の細身のコートにストレートのパンツ、爪先の尖った革靴。何処から見ても男の人。