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甘く、深く、繋がって
第18章 真純と千佳と
ドキドキして視線を逸らしたら
「真純も飲む?」
千佳ちゃんに聞かれて慌てて視線を戻した。
「えっ?あっ、うん」
「……真純?」
「あっ、でも私は少し甘めの白が良いな」
誤魔化せないのは分かっているけど、救いを求めて桐生さんを見上げると優しい笑みを返してくれた。少し前かかがみになって、長く形の良い指先でメニューの中を示してくれる。
「では、こちらのワインはいかがですか?」
「マスカット、のワイン?」
「はい。こちらは香りも爽やかですし、マスカットの割りに甘さは控え目で飲みやすいかと思います」
「お願いします」
「畏まりました」
キチッと頭を下げて桐生さんが離れて行った。その背中を目で追っていると
「まーすみ」
千佳ちゃんに名前を呼ばれた。
向き合った千佳ちゃんの目は興味津々で、やっぱり見逃してはもらえそう。
「どの人?」
「……」
振り返られたら恥ずかしい。
応えられない私に
「まいっか。後で来てくれるんだもんね」
千佳ちゃんはあっさり引いて、お冷やのグラスに口をつけた。
ちょっとだけホッとして、でも満席な店内に忙しいだろう斎藤さんに来てもらうのは申し訳なくて……
「真純も飲む?」
千佳ちゃんに聞かれて慌てて視線を戻した。
「えっ?あっ、うん」
「……真純?」
「あっ、でも私は少し甘めの白が良いな」
誤魔化せないのは分かっているけど、救いを求めて桐生さんを見上げると優しい笑みを返してくれた。少し前かかがみになって、長く形の良い指先でメニューの中を示してくれる。
「では、こちらのワインはいかがですか?」
「マスカット、のワイン?」
「はい。こちらは香りも爽やかですし、マスカットの割りに甘さは控え目で飲みやすいかと思います」
「お願いします」
「畏まりました」
キチッと頭を下げて桐生さんが離れて行った。その背中を目で追っていると
「まーすみ」
千佳ちゃんに名前を呼ばれた。
向き合った千佳ちゃんの目は興味津々で、やっぱり見逃してはもらえそう。
「どの人?」
「……」
振り返られたら恥ずかしい。
応えられない私に
「まいっか。後で来てくれるんだもんね」
千佳ちゃんはあっさり引いて、お冷やのグラスに口をつけた。
ちょっとだけホッとして、でも満席な店内に忙しいだろう斎藤さんに来てもらうのは申し訳なくて……