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甘く、深く、繋がって
第18章 真純と千佳と
「ねぇ千佳ちゃん、忙しそうだから席に来てもらうのはやっぱり止めよう?」
私の提案にチラッと店内に視線を投げて千佳ちゃんが頷いた。
「そうだね。……じゃあ、名前教えて?それで分かるから」
ニッと口角を上げて千佳ちゃんが首を傾げる。
「撮影に来ただけなのに、名前覚えてるの?」
「うん。また何かでお世話になるかもしれないし、当然」
何でもない事のように言って千佳ちゃんが笑う。
「暗記物得意だし」
そうだった。千佳ちゃん歴史とか英文法、公式なんかも覚えるの早かった……
「ね、誰?」
千佳ちゃんがずいっと身体を乗り出して、その奥で桐生さんが斎藤さんに声を掛けているのが見えた。
互いに歩み寄って二言三言交わし、二人してこちらを振り返る。目が合ってトクンと心臓が跳ねる。首を左右に振って来なくても大丈夫だとアピールしてみたけれど……
斎藤さんがふっと笑ったのが見えた。向かいの桐生さんもにこやかな笑みで、二人向き直って言葉を交わし、斎藤さんはキッチンの奥へ戻って行った。
伝わったかな……
「ねぇ、真純」
千佳ちゃんに声を掛けられて肩が揺れる。
「な、何?」
「もしかして……斎藤さん?」
「……っ」
私の提案にチラッと店内に視線を投げて千佳ちゃんが頷いた。
「そうだね。……じゃあ、名前教えて?それで分かるから」
ニッと口角を上げて千佳ちゃんが首を傾げる。
「撮影に来ただけなのに、名前覚えてるの?」
「うん。また何かでお世話になるかもしれないし、当然」
何でもない事のように言って千佳ちゃんが笑う。
「暗記物得意だし」
そうだった。千佳ちゃん歴史とか英文法、公式なんかも覚えるの早かった……
「ね、誰?」
千佳ちゃんがずいっと身体を乗り出して、その奥で桐生さんが斎藤さんに声を掛けているのが見えた。
互いに歩み寄って二言三言交わし、二人してこちらを振り返る。目が合ってトクンと心臓が跳ねる。首を左右に振って来なくても大丈夫だとアピールしてみたけれど……
斎藤さんがふっと笑ったのが見えた。向かいの桐生さんもにこやかな笑みで、二人向き直って言葉を交わし、斎藤さんはキッチンの奥へ戻って行った。
伝わったかな……
「ねぇ、真純」
千佳ちゃんに声を掛けられて肩が揺れる。
「な、何?」
「もしかして……斎藤さん?」
「……っ」