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第18章 真純と千佳と

事件と共に記憶に残る、スポーツ紙の煽り文句と週刊誌の中吊り。

『愛奴監禁』『全裸調教』『拘束プレイ』『現役○大生の乱れた性活』

どうせ作り話と派手な誇張だ。でも実刑になるだけの事をされた事に変わりはない。
加害者に対する怒りに全身の血が沸騰する。でも、刑に服している以上、それをぶつける事は不可能で。俺は真純に何もしてやれない。
何の為に、真純の傷を抉ると分かっていながら俺に話す？
何を、考えてる？

陰を宿したままの瞳でじっと見返していた彼女は一つ瞬きをして
「自分で考えて」
感情の推し量れない口調で俺の手を肩から払い落とした。
「……はぁ？」

何だソレ……
理解出来ないから聞いてんだろうが。

苛立ちが募る。
「考えがまとまったら教えて。真純と会わせるかどうか考え」
「断る」
途中で遮った不機嫌な俺に、彼女の口角が上がった。
「真純は同意してるんだけど？」
「……っ」

真純も同意？
それは俺に話す事？それとも真純に会うのにコイツの許可が要る事？

「真純は同意したの。あなたに話す事も、結果会えなくなる事も」