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甘く、深く、繋がって
第19章 決心
道理で、と一人納得する。家で動画を見直して感じた違和感。黒田はみゆきにゴシップ紙からの情報を伝えられ、暴走したのかさせられたのか……どちらにしろ許される行為ではないが。
そのきっかけを、コイツが作った。
ホント、腹立たしい。

「お陰で左遷させられたけどな」
「えっ?」
みゆきが一瞬たじろいだ。
暴走させる気はなかったと言うことか。
「どういう事?」
不安を滲ませながら聞いてくる。それに応える義理はない。
そんなことより
「……まさか本人には言ってないよな?」
質問に応えず聞き返した俺に、みゆきの顔が歪んだ。再び瞳に黒い火が灯る。
「何よ。……事実を確認して何が悪いの?」
当然だと言わんばかり、不機嫌極まりない口調。
バックヤードで目を腫らしていた真純の泣き顔が頭に浮かぶ。あの時感じた足元が崩れそうな不安感。
みゆきに事件の話をされたのだとしたら、あの時の真純の態度に得心がいく。

ことごとくコイツ絡み、か?

「……お前ホント最悪だ」
みゆきが目を剥いた。
「どうしてよ!あんな汚れた媚び売る女、何処が良いわけ?」
掴み掛かられそうになって肩を突き飛ばす。たたらを踏んでみゆきが何とか踏み留まった。
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