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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
「河合」
もう一度名前を呼ばれて
「お引き取り下さい」
頭を下げ同じ言葉を繰り返す。
帰って、下さい
しばらく黙りこんで黒田さんが小さく息を吐いた。
「そう、だよな……許される事じゃない」
続く声は明らかに落ちたトーンで
「……」
「でも、ちゃんと自分で謝りたかったんだ。本当に、ごめんな」
また謝罪した黒田さんはみんなでランチをする前の、仕事ぶりを尊敬していた頃と同じ様で。でも恐怖が勝ってそうとは思えない。その溝が酷く悲しかった。
夜食事をした時も怖かったけど、あの朝の黒田さんの強引さや怖さは別の人の様だった。何で変わってしまったのか。思い当たるのは、私の……
啓太だけじゃない。付き合った人達はみんな、そうなった……から。
考えると心が沈んでく。
でも……斎藤さんは、違う
『愛してるよ、真純』
真っ直ぐ伝わってくる斎藤さんの温かい気持ち。
それは私の支え。
私の、全て……
何に変えても、守りたい。
「お引き取りください」
再度伝えてゆっくり頭を起こす。
「さようなら、黒田さん」
正面から見上げると黒田さんがキツく眉根を寄せた。
「……さようなら」
もう一度名前を呼ばれて
「お引き取り下さい」
頭を下げ同じ言葉を繰り返す。
帰って、下さい
しばらく黙りこんで黒田さんが小さく息を吐いた。
「そう、だよな……許される事じゃない」
続く声は明らかに落ちたトーンで
「……」
「でも、ちゃんと自分で謝りたかったんだ。本当に、ごめんな」
また謝罪した黒田さんはみんなでランチをする前の、仕事ぶりを尊敬していた頃と同じ様で。でも恐怖が勝ってそうとは思えない。その溝が酷く悲しかった。
夜食事をした時も怖かったけど、あの朝の黒田さんの強引さや怖さは別の人の様だった。何で変わってしまったのか。思い当たるのは、私の……
啓太だけじゃない。付き合った人達はみんな、そうなった……から。
考えると心が沈んでく。
でも……斎藤さんは、違う
『愛してるよ、真純』
真っ直ぐ伝わってくる斎藤さんの温かい気持ち。
それは私の支え。
私の、全て……
何に変えても、守りたい。
「お引き取りください」
再度伝えてゆっくり頭を起こす。
「さようなら、黒田さん」
正面から見上げると黒田さんがキツく眉根を寄せた。
「……さようなら」