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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
畠山さんが島崎さんの案件を引き受けて下さったので、取り敢えずパズルは保留。渡部さんがどの程度畠山さんの分を引き受けてくれるのか不安はあるけれど……
バタバタと片付けて、追い立てられるように会社を出た。警備員さんに今年最後の挨拶をして『グラン・ブルー』へ向かう。
新しく来る人の話を聞いているうちに、お店に着いていた。ガラス越しに見る店内は結システムの社員で貸切状態。明日から六連休に入るせいか、みんなすでに大分出来上がっていて
「いらっしゃいませ」
何時もと変わらずにこやかな桐生さんに助けを求めたくなった。
「タクが遅いのを心配してましたよ」
後ろからコートを脱ぐのを手伝ってくれながら、さりげなく囁かれた言葉。頬が熱くなる。思わず見たキッチン。俯いていた斎藤さんがふと顔を上げた。パチンと目が合って、ふわりと緩んだ目元に、心臓がトクンと跳ねる。
『お疲れ』
そう動いた唇。でも直ぐに視線は外されて、斎藤さんは何もなかった様に佐伯さんに話し掛けていた。
「ホント、目敏いですね」
桐生さんがクスクス笑う。
「あ、ほら怖い」
また戻ってきた視線は、何故か桐生さんを睨んでいて。
バタバタと片付けて、追い立てられるように会社を出た。警備員さんに今年最後の挨拶をして『グラン・ブルー』へ向かう。
新しく来る人の話を聞いているうちに、お店に着いていた。ガラス越しに見る店内は結システムの社員で貸切状態。明日から六連休に入るせいか、みんなすでに大分出来上がっていて
「いらっしゃいませ」
何時もと変わらずにこやかな桐生さんに助けを求めたくなった。
「タクが遅いのを心配してましたよ」
後ろからコートを脱ぐのを手伝ってくれながら、さりげなく囁かれた言葉。頬が熱くなる。思わず見たキッチン。俯いていた斎藤さんがふと顔を上げた。パチンと目が合って、ふわりと緩んだ目元に、心臓がトクンと跳ねる。
『お疲れ』
そう動いた唇。でも直ぐに視線は外されて、斎藤さんは何もなかった様に佐伯さんに話し掛けていた。
「ホント、目敏いですね」
桐生さんがクスクス笑う。
「あ、ほら怖い」
また戻ってきた視線は、何故か桐生さんを睨んでいて。