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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
心配そうに歩み寄ってくる。その手には私の鞄とコート。
まっすぐ見つめられてドキドキする。
桐生さんはどんな風に説明してくれたんだろう……
「だ、大丈夫です」
「ごめんね、私が飲ませ過ぎちゃったから……」
田中さんの向こうで桐生さんが頷くのが見えた。
「……ぃ、いえ、私の方こそご迷惑をお掛けしてスミマセン」
また小さく頷く桐生さん。
何となく、状況が伝わった。
私、飲み過ぎて具合が悪くなった事になってる、のかな……?
「ううん……今直ぐタクシーは……辛い、かな?」
覗き込まれて困っていると、桐生さんの口が『辛いです』と動く。
「あ、の……はい。それはまだ、ちょっと辛い、です」
「そう、だよね」
田中さんの眉がキューンと下がる。
「落ち着くまで一緒に待って、送って行きたいんだけど……夜泣きが始まっちゃったみたいで……」
本当に申し訳なさそうな田中さんに心が痛む。
「あ、だ、大丈夫です。帰って差し上げて下さい。私近いですし、もう少ししたら、一人でタクシーで帰れますから」
じっと私を見つめた後、田中さんが桐生さんを振り返った。
まっすぐ見つめられてドキドキする。
桐生さんはどんな風に説明してくれたんだろう……
「だ、大丈夫です」
「ごめんね、私が飲ませ過ぎちゃったから……」
田中さんの向こうで桐生さんが頷くのが見えた。
「……ぃ、いえ、私の方こそご迷惑をお掛けしてスミマセン」
また小さく頷く桐生さん。
何となく、状況が伝わった。
私、飲み過ぎて具合が悪くなった事になってる、のかな……?
「ううん……今直ぐタクシーは……辛い、かな?」
覗き込まれて困っていると、桐生さんの口が『辛いです』と動く。
「あ、の……はい。それはまだ、ちょっと辛い、です」
「そう、だよね」
田中さんの眉がキューンと下がる。
「落ち着くまで一緒に待って、送って行きたいんだけど……夜泣きが始まっちゃったみたいで……」
本当に申し訳なさそうな田中さんに心が痛む。
「あ、だ、大丈夫です。帰って差し上げて下さい。私近いですし、もう少ししたら、一人でタクシーで帰れますから」
じっと私を見つめた後、田中さんが桐生さんを振り返った。