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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
真純と入れ替わりに風呂に入った。甘い残り香に口角が上がる。
キス、しかしてない。それだけでこんなに残るほど香ったのかと思うと……

真純、可愛い過ぎだから

バックヤードでの涙の理由を聞きたい。今まで口に出せず、我慢させていた事も聞きたい。
何よりも千佳の話を聞いても、真純と共にありたいと願っている事を直接真純に伝えたい。

話したい事はたくさんあって、でももう夜深い。いくら真純が明日から休みとはいえ、時間は限られる。

まずは千佳の、話からか?

逸る心を沈めながら全身を清め、風呂を終わらせた。

真純に構えられないよう、パジャマをキチンと着て脱衣室を出る。そのままリビングへ向かうと真純がラグに直接座りテーブルに突っ伏しているのが目に入った。。
頭の横に置かれたグラスとアルミ缶。一見ジュースに見える可愛らしいデザインのそれは立派なカクテル。以前真純のために買って置いたもの。
「真純?」
声を掛けながら左隣に膝を着く。肩に手を置こうとしたところで、真純かゆっくり振り返った。
「……っ!」
トロンとアルコールに溶けた眼差し。俺を捉えてふわりと微笑む。
「さいと、さんだぁ……」

……反則、だろ
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