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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
「ね、真純。それお酒なの分かってる?」
「……え?」
キョトンと首を傾げ、缶に目を移す。
「そっかぁ、それでふわふわするんですねぇ」
また俺を振り返り、真純がふわりと笑った。何処か嬉しそうにも見える、警戒心のない笑顔が可愛くて手を伸ばしたくなる。
目元から頬にかけてほんのり赤く染まった程度。パッと見、目があったり話したりしなければそこまで酔っているようには見えない。でも、無防備にトロリと惚け、潤んだ瞳で見上げてくる様は何時にない色気も感じさせて、ドキリとする。

これは、今日話すのは難しいか……

酔った真純を見るのは初めてで、彼女がどれくらい話を理解し覚えていることが出来るのかよく分からない。
「桃のジュースかと思ってました」
いつもよりゆったりと話す真純は店で飲んでいた時より酔いが回っているのは明らかで。それだけ気を許してもらえているのかと思うと、つられるように口角が上がった。
「飲みやすいけど桃のリキュール使ってるし、ちゃんとお酒だよ」
ふふっと真純が笑う。
「飲んでるのに気付かないって駄目ですね」
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