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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
話しながら首を傾げた真純。揺れた拍子に横髪が頬に零れた。
「美味しかった?」
右手でその髪をそっと掬い上げる。真純は恥ずかしそうにはにかみながら小さく頷いて
「……は、い。ありがとうございます」
大きな目がなくなるほどに顔を綻ばせた。飾らない笑顔。記憶の中の幼い彼女とダブる。
嬉しくて、愛しくて……堪らない。
髪を押さえていた右手を後頭部に滑らせ、覗き込むようにして下から口付けた。桃の、香りがする。
「ん……」
淡く重ねるだけ。少し長めにその柔らかさと甘い香りを堪能し、チュッとリップ音を立てて唇を離す。
「っふ……ぁ」
長い睫毛が小刻みに震え、ゆっくりと目蓋が上がった。
双子の黒子が並ぶ赤い目尻。あの日と違う熱を帯びた眼差し。うっすらと開いた濡れた唇は何時もより赤みを増して艶やかで。
誘われるようにもう一度重ね合わせた。
「んっ……ん……」
今度は早々に舌を滑り込ませて、甘い口腔内を深く侵食していく。
「ふぅ、っん……」
漏れる吐息が色っぽい。
もっと欲しくて、つい力が入った。少し身体が斜めになる。倒されるとでも思ったのか、珍しく真純が俺の首に腕を回してきた。
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