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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
小刻みに震えた身体。
ぽんぽんとかるく頭を叩くと小さな手が遠慮がちに服の肩口を掴んできた。右手を腰より下に下ろし、身体ごと引き寄せる。その手を背中に回し、改めて包み込んだ。
真純がゆっくりと息を吐く。ヒュッと吸気の音がして、息を殺すように泣き出した。
ここにいるのは真純と俺だけ。他の誰に聞かれる事もない。それなのに、静かに泣く真純。酔っているにも関わらず。
どれだけ気持ちを押し込めて来たのか……真純が抱える痛みを思って胸が締め付けられた。

あの男と同棲を始めた時、真純は嬉しかったに違いない。それ、なのに……
ふつりと沸き起こる、どうしようもない怒り。
真純を思って飲み込んだ。

トン、トンとゆっくりあやすように背中を叩く。
「声、出して?堪えなくて良いから」
肩口を掴む手に力が入った。
「ふっ……ぅ……」
なおも抑えられた声。
恐らく真純が気持ちを口にする事はない。ならば……
「両親の事、思い出せなくなるくらいショックだったんだな」
ピクッと肩が揺れた。
「ふぅ、うぅ……ん」
小さく零れた嗚咽。
「あちこち引っ越しさせられて、寂しい思いをたくさんしてきたんだな」
「うっ、ぅうっく……」
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