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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
「辛い事全部、一人で我慢して来たんだろ?」
「ふ、ぇ……」
「もう、押し込めなくて良いから」
「んっ……く」
肩口を掴む手に力が入った。胸に額を擦り付けてくる。
「俺に、教えて?」
応えるように頭をそっと撫でた。
「頼むから、一人で抱え込まないで」
「ふっ、うぅ……」
「一緒に、抱えるから。真純をそばで、守らせて」
「ふ、ぁああん」
ようやく溢れ出した声はそれでもどこか抑制されていて、両親を失った後の生活が真純に強いた我慢の深さを痛感させられた。
しがみついてくる指が震えてる。
黙って抱き寄せて、包み込む。真純がこれ以上自分を抑え込まずに済むように。少しでも思いを口にしてくれる事を願う。

どれ位泣いただろう、静かになった真純がギュッと服を掴んできた。
「ぁ、ありがとう、ございました」
スンと鼻を啜って、そこから動かない。
「泣けて、良かった」
「はい……」
身体を離そうとして、逆にすがり付いてくる。
「真純?」
「……か、かお、ぐしゃぐしゃなので、見ないで下さい」
恥ずかしがってるからか、触れてる頭が熱くなる。
つい、ふふっと笑みが漏れた。
「いーよ。泣いて腫れた目、見せて」
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