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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
「や、です。めっ目だけじゃなくて、はな、鼻も絶対大変な、事になってって……あっやっ」
掴んだ肩をグイッと身体から離す。反射的に真純が下を向く。その頬を両手でそっと挟んだ。
「泣かれて嬉しいって思ったの、初めてなんだ。その涙……見せて?」
「…………」
動きの止まった真純。スンスンと続けて鼻を啜って、ゆっくりと頭を起こした。
柔らかな栗色の前髪の下から閉ざされた目蓋が見える。アルコールの名残もあるのか、赤く上気した頬。目の回りと小さな鼻が一際赤く染まってる。いく筋も流れた涙の跡と鼻水と……でも、可愛くて堪んない。
小刻みに睫毛が震え、新たな涙に滲む赤い瞳がそっと下から見上げてきた。まだトロンとして甘えた眼差し。でもどこかスッキリしたようにも見えるのは願望か。
視線が合うと、羞恥に揺らいで逸らされた。
愛おしい気持ちが溢れて、自然と笑みが浮かぶ。頬を包んだまま親指で涙の跡を拭い
「泣き顔も可愛いとか、反則」
額にそっと口付けた。目蓋に、涙の滲む目尻に、頬に唇で触れて額を合わせる。
「もう、俺の前で我慢するのなしね」
小さく震えた真純。
「言いたい事、聞きたい事、何かあったら教えて?」
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