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甘く、深く、繋がって
第21章 伝わる心
その眼差しにますます頭の中が混乱する。
「……どう、して?」
尋ねる声はやっぱり震えてしまって、斎藤さんの笑みが深くなった。
「途中で止めた事?」
きっと私は泣きそうな顔になっているに違いない。
黙ったまま頷いた私に斎藤さんが右手を伸ばしてきた。前髪を掻き上げる様にして後ろに流し、露わになった額にチュッと音を立ててキスをする。
「夢の中で、真純抱いてたんだ」
そう言って眉を下げた。私の頭を優しく撫でながら
「目が開いて、時間聞いたり話したりもした筈なのに、意識がごっちゃになってて。夢の延長のまま、真純の事抱こうとしてた」
困ったような顔で薄く笑う。
「結構ハードな夢見てたから……」
そこで切られた言葉。その意味する事に気が付いて、ジワリと顔が熱くなる。
「真純、壊したくないし?『ダメ』って言われてるのに、強引に抱くのはマズイでしょ」
斎藤さんが小さく息を吐いて自嘲するように笑った。髪をくしゃりと乱されて。
「夢じゃないのに気が付いて、結構頑張って踏み止まったんだけど」
グイッと顔が近づいてくる。上目使いで見上げられ、その艶を帯びた眼差しにドクンと心臓が跳ねた。
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