この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘く、深く、繋がって
第21章 伝わる心
「真純に会った時、何となく既視感があって……でもその時は何故そう感じたのか分からなかった。水族館で転んだ真純を見て、突然思い出したんだ」
ニコリと口角を引き上げて、斎藤さんが右手で私の頬を包む。その親指が目尻をそっと撫でた。
弧を描く様に少し細められた目。
「凄いドキドキした。めちゃくちゃ嬉しかった」
「…………」
優しく温かい笑顔にギュッと胸が苦しくなった。
その記憶の『ますみちゃん』は……本当に私、ですか?
何度も探したくなって、こんなに再会を喜んでもらえるような『出会い』だったはずなのに……やっぱり私は思い出せなくて。
考えれば考えるほど人違いに思えてくる。
確認、しなくちゃ……
大事な事だと分かるのに、聞くのが怖い。
人違いだって分かってしまったら?
…………
それでも斎藤さんは私に笑い掛けてくれますか?
……私を好きで、いてくれますか?
聞かなくちゃ……
思えば思うほど、気持ちが沈む。
また目尻をそっと撫でられた。
「真純」
柔らかなテノールが私の名前をなぞる。それだけで泣いてしまいそう。
斎藤さんと……離れたくない、よ……
ニコリと口角を引き上げて、斎藤さんが右手で私の頬を包む。その親指が目尻をそっと撫でた。
弧を描く様に少し細められた目。
「凄いドキドキした。めちゃくちゃ嬉しかった」
「…………」
優しく温かい笑顔にギュッと胸が苦しくなった。
その記憶の『ますみちゃん』は……本当に私、ですか?
何度も探したくなって、こんなに再会を喜んでもらえるような『出会い』だったはずなのに……やっぱり私は思い出せなくて。
考えれば考えるほど人違いに思えてくる。
確認、しなくちゃ……
大事な事だと分かるのに、聞くのが怖い。
人違いだって分かってしまったら?
…………
それでも斎藤さんは私に笑い掛けてくれますか?
……私を好きで、いてくれますか?
聞かなくちゃ……
思えば思うほど、気持ちが沈む。
また目尻をそっと撫でられた。
「真純」
柔らかなテノールが私の名前をなぞる。それだけで泣いてしまいそう。
斎藤さんと……離れたくない、よ……