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甘く、深く、繋がって
第5章 燻るモノ
首を傾げて下から覗き込んでくるキリッとした目にニヤけた心を見透かされそうでドキッとする。
「ぃ、いえ、何もないです」
緩みそうな口元を引き締めた。
「そう?顔赤いけど……」

うっ……

「だ、大丈夫です」
「メール、彼氏?」
「ふえっ?」
耳元でこそっと聞かれ、その内容と掛かった吐息にドキンと胸が高鳴った。ますます顔が熱くなる。
「ちっちがいます」
ぐっと深く俯いて顔を隠した。
「おっ?どうした河合、顔が赤いぞ?」
「黒田、お前何したんだよ?」
山下さんと畠山さんがほぼ同時に口を開く。
「やぁ、河合さん可愛いんでデートに誘おうかと思って」
カラッと言って黒田さんが笑った。

えっ?そんな話してないよ?

「まぁ、河合は可愛いからなぁ」

か、可愛い?

「おまっ何抜け駆けしてんだよ」
ハハハと笑う山下さんに、何故か黒田さんに突っ掛かる畠山さん。
「真純は俺がっ……」
何か言い掛けて黙り込む。

私は、畠山さんが?

口角を強く結んだ畠山さんの顔が赤くなる。

……え?

「先輩もですか?」
「なっ!」
ニッと口角を上げた黒田さんを、畠山さんがしかめ面で睨んだ。
「オレ、遠慮しませんから」
「な、何を?」
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