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甘く、深く、繋がって
第21章 伝わる心
キュッと手を握られて涙がこぼれ落ちた。
「わ、私……全然、思い出せないんです」
「うん」
「ひ、人違い、かもしれ」
「それはない。人違いなんかじゃないよ」
私の言葉を遮って、斎藤さんがニコリと笑う。
「で、も」
「大丈夫。間違えたりしてないから」
優しい声で、でもハッキリと言い切られた。
「ど、どうして……」
「断言出来るのかって?」
じっと見つめられて、黙って頷く。斎藤さんが右手でまた私の頬を包んだ。そして、それもさっきと同じ様にスイと指先で目尻をなぞる。
「双子の黒子」
確かにそこには小さな黒子が並んでる。物心ついた時にはすでにあった。小さい頃『泣き虫』とからかわれて、あまり好きじゃない。
「気になって、可愛いと思ったんだ」
「っ……」
……可愛いって、思ってくれてたの?
ニコリと笑顔で覗き込んでくる。
「一目惚れ。いくら小二でも、こんな印象的な目元、忘れない。間違えたり、しないよ」
「ふっ、ぅう……」
よかった……
嬉しくて、ようやく不安が薄らいで、涙がさらに溢れてくる。
ふふっと笑い、近付いてきた斎藤さん。右の目尻、丁度黒子が並ぶ辺りに口付けられた。
「わ、私……全然、思い出せないんです」
「うん」
「ひ、人違い、かもしれ」
「それはない。人違いなんかじゃないよ」
私の言葉を遮って、斎藤さんがニコリと笑う。
「で、も」
「大丈夫。間違えたりしてないから」
優しい声で、でもハッキリと言い切られた。
「ど、どうして……」
「断言出来るのかって?」
じっと見つめられて、黙って頷く。斎藤さんが右手でまた私の頬を包んだ。そして、それもさっきと同じ様にスイと指先で目尻をなぞる。
「双子の黒子」
確かにそこには小さな黒子が並んでる。物心ついた時にはすでにあった。小さい頃『泣き虫』とからかわれて、あまり好きじゃない。
「気になって、可愛いと思ったんだ」
「っ……」
……可愛いって、思ってくれてたの?
ニコリと笑顔で覗き込んでくる。
「一目惚れ。いくら小二でも、こんな印象的な目元、忘れない。間違えたり、しないよ」
「ふっ、ぅう……」
よかった……
嬉しくて、ようやく不安が薄らいで、涙がさらに溢れてくる。
ふふっと笑い、近付いてきた斎藤さん。右の目尻、丁度黒子が並ぶ辺りに口付けられた。