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甘く、深く、繋がって
第21章 伝わる心
斎藤さんの肩に額を押し当てたら、応えるようにギュッと抱き締められた。
「……ますみ」
少し掠れた声。
「礼を、言われるような事じゃない。俺のせいで不快な思いをさせて、本当に悪かった」
また謝られて、落ち着かない。
やっぱり初めから、ちゃんと話せば良かった。
……あの時は本当に
「怖かった、です」
「うん、ごめん」
「私の知らない斎藤さんを、あの人は知ってて」
「……うん」
「当然の様に付き合ってるって宣言されて」
「あいつと付き合った事なんかないよ」
すぐに静かな口調で否定された。ただそれだけの事に安心する。
いつかの夜の事が気にならないと言えば嘘になる。でも、斎藤さんは心配するような事は何もないとも言ってくれた。
だから、大丈夫。
黙って頷くとそっと身体を離して覗き込まれた。
「ね、真純が体調崩したのはアイツが関係してる?
「……」
否定も肯定もどちらも出来ずに瞬きをして返す。
はぁと息を吐いて斎藤さんが頭を下げた。
「気付けなくてごめん」
斎藤さんは悪くない……
「そんなに、謝らないで下さい。良いん、です。だって……」
そっと斎藤さんの頬に触れる。
「……ますみ」
少し掠れた声。
「礼を、言われるような事じゃない。俺のせいで不快な思いをさせて、本当に悪かった」
また謝られて、落ち着かない。
やっぱり初めから、ちゃんと話せば良かった。
……あの時は本当に
「怖かった、です」
「うん、ごめん」
「私の知らない斎藤さんを、あの人は知ってて」
「……うん」
「当然の様に付き合ってるって宣言されて」
「あいつと付き合った事なんかないよ」
すぐに静かな口調で否定された。ただそれだけの事に安心する。
いつかの夜の事が気にならないと言えば嘘になる。でも、斎藤さんは心配するような事は何もないとも言ってくれた。
だから、大丈夫。
黙って頷くとそっと身体を離して覗き込まれた。
「ね、真純が体調崩したのはアイツが関係してる?
「……」
否定も肯定もどちらも出来ずに瞬きをして返す。
はぁと息を吐いて斎藤さんが頭を下げた。
「気付けなくてごめん」
斎藤さんは悪くない……
「そんなに、謝らないで下さい。良いん、です。だって……」
そっと斎藤さんの頬に触れる。