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甘く、深く、繋がって
第22章 冬休み
扉の閉まるような音がした、と思った。でも私はほぼ夢の中にいて起き上がることが出来なくて。
「ただいま」
甘い声にせめて振り返ろうとした所で、後ろに滑り込んできた斎藤さんに包まれた。

あったかい……

お腹に回された腕がギュッと抱き締めてくる。
「可愛い」
そう言ってクスリと笑う。頭のすぐ後ろから聞こえた声。その低いテノールは斎藤さん。
でも、何となく違和感。

こんなに声低かった?

身体を滑る手に寒気がする。

気持ち、悪い……
何で?

いつもとは、違う感覚に思わず
「や、です」
その手を止めていた。それにも拘わらず、ふふっと笑って力任せに胸を触ってくる。
「やっっ!」
斎藤さんも時に強引だけど、こんな風にされたことはない。逃れようと身を捩って、鼻に届いた斎藤さんとは違う匂いに全身が竦んだ。

だ、れ?

叫びたいのに喉が引き連れて声が出ない。
恐怖に震える身体を必死になって捩るけど、男に人の力には敵わなくて。
首の後ろに湿った生温かいモノが押し当てられて、チリッとした痛みに襲われた。

やっだっ!

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