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甘く、深く、繋がって
第22章 冬休み
お腹に回されたままの腕を何度も叩いて、脚を後ろに向かってバタバタと蹴り上げる。
「あっぶね」
耳元で響く低い声。斎藤さんに似てるけど、違う声。

怖い

力任せに身体を引き倒された。両手は纏めて頭の上に縫い止められて、腿の上に跨られ、身動きが取れないようにがっしり抑え込まれてしまった。
「可愛いね、君」
そう言って私の頬を指の背でスイッと撫でたのは甘さを一切排除した……斎藤さん?
「俺の事、聞いてない?」
どこか斎藤さんと似た顔つきのその人は斎藤さんと同じように右だけ口角を上げて笑った。
「ここ、俺の家」

あっ!

「お、にぃさん」
「良いね。その呼び名」
掠れた私の呟きに、またニヤリと笑って顔が近づいてきた。
「いやっ!」
首元に押し当てられた唇。チュッと音を立てながら這い回る感触に寒気がする。
「おっお兄さんっ!」
逃れようにも動けなくて、嫌悪感と恐怖とでパニックに陥りそうだった。

何、で?
どうして?
怖い。
怖いです。
怖い、こわい!

どんなに身体を捩ろうとしても、腿に上に座られているせいでビクともしない。両手は痛いほど強く押さえつけられて、どうすれば逃れられるの?
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