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甘く、深く、繋がって
第22章 冬休み
『ますみ』
焦点が定められないまま、それでも俺を見ようとする。愛しい真純。
一緒にベッドに沈みたい気持ちを抑え、秀でた額に口付けた。

真純を布団でくるんで部屋を出る。リビングを突っ切り兄貴の部屋へ。軽くドアをノックをして、返事を待たずにドアを開けた。
「おう」
ノートパソコンから頭を起こし、振り返った兄貴。その唇の左端が切れ、腫れている。
ドアを閉めて
「勝手に彼女を家に上げた事は謝る。悪かった。でも、ソレは謝らない」
開口一番頬を示して言い放つと、兄貴がキツく眉ねを寄せた。ぐるりと椅子ごと振り向いて、はっと短く息を吐く。
「誰もいない家に勝手に上げてるからだろうが」

つまりは俺への懲罰……

「だから?それなら直接来いよ。俺の女に何してくれてんの?俺が兄貴の女に冗談でも跨がった事があるかよ?」
ドアに背中を預け距離を保つ。
そうでもしなければ、兄貴に殴りかかりそうで。
「誰彼構わず連れ込む兄貴と違って、俺は本気だから家に上げてんだよ」
「……本気?お前が?冗談にしてもキツいだろ」
鼻で笑って吐き捨てられた。そんな挑発には乗らない。
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