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甘く、深く、繋がって
第22章 冬休み
「兄貴じゃあるまいし、冗談で女連れ込むかよ」
下がり目のくせに吊り気味の眉がピクリと動く。
「あー彼女、良い身体してるもんな?」
その言い様に腹が煮え返った。
頭を過る乱されていたパジャマと赤い痣。
何処までされたのか、なんて知りたくはない。でも『良い身体』と思うだけの事はしたと明言されて……

くっそ!

右だけ引き上げられた口角が癪に障る。殴り飛ばしたい衝動を奥歯を強く噛んでどうにか凌いだ。
どんなに腹が立とうと、これからを思うと兄貴に真純を認めさせない訳にはいかない。
「勝手に触ってんじゃねぇよ」
分かってるのに、低い声が吐いて出た。
「身体だけの女なんか要らないんだよ」
「どーだか。エロい声で啼かせてたの誰だよ?説得力ねぇだろ」
小馬鹿にした物言いに苛々する。
「俺の女をどう啼かそうが兄貴に口出される謂れはない。……親父みたいな真似してんなよ」
真正面から睨み付けると兄貴が見るからに不快そうにまた眉ねを寄せた。顎を反らして
「あんなクソ親父と一緒にすんな。あの女の何がそんなに特別なんだよ。そいつも所詮『女』だろうが」
兄貴が真純を蔑視しているのは明らかだった。
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