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甘く、深く、繋がって
第22章 冬休み
男に辛い目に遭わされたにも関わらず、真純は俺に真っ直ぐに応えてくれた。下心しかなかった時も、真純が“マスミちゃん”だと気付いた後も……
たくさんの傷を抱えてなお、正面から人と向き合い優しく笑う真純を愛しく思う。その笑顔を守りたい。そばに寄り添い、彼女を支える存在でありたい。
「身体だけ、なんかじゃない」
自然に口を吐いて出ていた。
兄貴が険しい顔のまま俺を見据えている。
逸らす事なく鋭い眼差しと視線を合わせた。無言での睨み合いの末、兄貴が先に目を伏せる。
「あの女がどうかは別として、拓真が本気なのは分かった」
「……」
ゆっくり目蓋を上げた目にさっきまでの冷ややかさはなく。
「勝手に家に入れたのは許してやるよ。女を襲った事も謝る。悪かった」
言って俺に頭を下げた。
「でも、女を認めるかどうかは俺が自分の目で決める。お前のフィルタは要らない」
頭を起こし、淡々と続けられた言葉。
それは言われると思っていた。
真純は俺が惚れた最高の女。兄貴は本(もと)より誰にも恥ずべき所はない。厭われる謂われもない。
何より、真純は俺だけを見てくれている。それが分かれば、兄貴が認めない訳はない。
たくさんの傷を抱えてなお、正面から人と向き合い優しく笑う真純を愛しく思う。その笑顔を守りたい。そばに寄り添い、彼女を支える存在でありたい。
「身体だけ、なんかじゃない」
自然に口を吐いて出ていた。
兄貴が険しい顔のまま俺を見据えている。
逸らす事なく鋭い眼差しと視線を合わせた。無言での睨み合いの末、兄貴が先に目を伏せる。
「あの女がどうかは別として、拓真が本気なのは分かった」
「……」
ゆっくり目蓋を上げた目にさっきまでの冷ややかさはなく。
「勝手に家に入れたのは許してやるよ。女を襲った事も謝る。悪かった」
言って俺に頭を下げた。
「でも、女を認めるかどうかは俺が自分の目で決める。お前のフィルタは要らない」
頭を起こし、淡々と続けられた言葉。
それは言われると思っていた。
真純は俺が惚れた最高の女。兄貴は本(もと)より誰にも恥ずべき所はない。厭われる謂われもない。
何より、真純は俺だけを見てくれている。それが分かれば、兄貴が認めない訳はない。