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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
髪をクシャッと乱される。そのままそっと上を向かせられて、唇が重なる。柔く啄むだけの優しいキス。
吐息のかかるその距離で
「行ってくる」
チュッとまた唇が重なった。
「ん……行ってらっしゃい」
拓真さんが扉の向こうに姿を消して、カシャンと鍵のかかる音がした。
拓真さんの部屋に戻って、早速準備に取り掛かる。
言われた通りの場所にあったシルバーのトランク。まずは自分の着替えを詰め込んで。
拓真さんに何着てもらおうかな……
クローゼットの中と睨めっこ。
自然に口許が綻んで、気持ちがふくふくする。
あれこれ考えていたら不意にトントンとノック音が響いた。
一瞬にして身体が固まる。
まさか……
戻って、きた?
パッと振り返り、息を潜めてドアを見つめる。返事をしなかったのにも関わらず、ドアを開けて顔を覗かせたのはどう見てもお兄さんで。ますます声が出せなくなった。
「少し話したいんだけど」
拓真さんより少し低いテノールとよく似てるけど笑わない目。有無を言わさずリビングに連れ出されてしまった。
「俺の事、怖いだろうけどちょっと付き合って」
吐息のかかるその距離で
「行ってくる」
チュッとまた唇が重なった。
「ん……行ってらっしゃい」
拓真さんが扉の向こうに姿を消して、カシャンと鍵のかかる音がした。
拓真さんの部屋に戻って、早速準備に取り掛かる。
言われた通りの場所にあったシルバーのトランク。まずは自分の着替えを詰め込んで。
拓真さんに何着てもらおうかな……
クローゼットの中と睨めっこ。
自然に口許が綻んで、気持ちがふくふくする。
あれこれ考えていたら不意にトントンとノック音が響いた。
一瞬にして身体が固まる。
まさか……
戻って、きた?
パッと振り返り、息を潜めてドアを見つめる。返事をしなかったのにも関わらず、ドアを開けて顔を覗かせたのはどう見てもお兄さんで。ますます声が出せなくなった。
「少し話したいんだけど」
拓真さんより少し低いテノールとよく似てるけど笑わない目。有無を言わさずリビングに連れ出されてしまった。
「俺の事、怖いだろうけどちょっと付き合って」