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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
カウンターの向こうからポットを取ってきたお兄さんが目の前で紅茶を煎れてくれる。慣れた手つきで高い所からお湯を注ぎ、砂時計をひっくり返す。
「あ、確認しなかったけど、アールグレイ飲める?」
「……はい、好きです」
「良かった」
フッと微笑んだ様に見えたけど……
一度ポットを戻しにキッチンへ行って、朝と同じ斜め向かいに腰掛ける。お兄さんはきっかり時間を計って丁寧な所作で紅茶をティーカップに注いでくれた。それはとてもスッキリとした香りの高いアールグレイ。
こんな時じゃなかったら凄く嬉しいのに……
「どうぞ」
「ありがとうございます」
線の細いティーカップと
「砂糖とミルクは必要なら自分で入れて」
シュガーポットとミルク差しを差し出されてもう一度頭を下げた。
緊張を和らげたくて砂糖を二つ。スプーンかティーカップに触れてキンと澄んだ音を立てる。そっとソーサーにスプーンを置いて、カップを手に取った。少し息を吹き掛けて、ゆっくり一口。じっと見詰められているようで、せっかくの味わいがよく分からない。
カップをソーサーに戻すとカシャンと小さな音が立った。
「あ、確認しなかったけど、アールグレイ飲める?」
「……はい、好きです」
「良かった」
フッと微笑んだ様に見えたけど……
一度ポットを戻しにキッチンへ行って、朝と同じ斜め向かいに腰掛ける。お兄さんはきっかり時間を計って丁寧な所作で紅茶をティーカップに注いでくれた。それはとてもスッキリとした香りの高いアールグレイ。
こんな時じゃなかったら凄く嬉しいのに……
「どうぞ」
「ありがとうございます」
線の細いティーカップと
「砂糖とミルクは必要なら自分で入れて」
シュガーポットとミルク差しを差し出されてもう一度頭を下げた。
緊張を和らげたくて砂糖を二つ。スプーンかティーカップに触れてキンと澄んだ音を立てる。そっとソーサーにスプーンを置いて、カップを手に取った。少し息を吹き掛けて、ゆっくり一口。じっと見詰められているようで、せっかくの味わいがよく分からない。
カップをソーサーに戻すとカシャンと小さな音が立った。