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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
「拓真が君に惚れた理由が、何となく分かった」
そう言って姿勢を正し
「昨日は本当に悪かった。嫌な思いをさせてすまなかった」
深く頭を下げられた。
そんな風に、改まって謝られるとは思っていなかった。頭を起こしたお兄さんの真面目な眼差しにドキッとする。
「……は、い」
辛うじて頷いた私に
「ありがとう」
ニッと口角を上げて笑う。
急に柔らかくなった態度。落ち着かなくてテーブルに視線を落とし、ティーカップを手に取った。
もう冷めて温くなってしまっていたけれど、大好きなアールグレイの香りに自然と笑みが浮かぶ。
向かいで同じ様にティーカップを手にしたお兄さんが一口飲んで
「冷めてんね。入れ直してくる」
そう言って立ち上がったのを、慌てて止めた。
「あっあのっ大丈夫、です。冷めてても、美味しいです」
思った以上に大きな声が出てしまった。私を見下ろしたお兄さんが目を細めてクックッと笑う。
「紅茶、好き?」
「はい」
「じゃあこれ、置いていってやるよ」
クルリとカウンターを振り返り、手を伸ばしてそこから黒い缶の筒を取った。コツンとそれを私の前に置く。
「俺は年が明けたら新潟に戻るから、飲み切ってくれて構わない」
そう言って姿勢を正し
「昨日は本当に悪かった。嫌な思いをさせてすまなかった」
深く頭を下げられた。
そんな風に、改まって謝られるとは思っていなかった。頭を起こしたお兄さんの真面目な眼差しにドキッとする。
「……は、い」
辛うじて頷いた私に
「ありがとう」
ニッと口角を上げて笑う。
急に柔らかくなった態度。落ち着かなくてテーブルに視線を落とし、ティーカップを手に取った。
もう冷めて温くなってしまっていたけれど、大好きなアールグレイの香りに自然と笑みが浮かぶ。
向かいで同じ様にティーカップを手にしたお兄さんが一口飲んで
「冷めてんね。入れ直してくる」
そう言って立ち上がったのを、慌てて止めた。
「あっあのっ大丈夫、です。冷めてても、美味しいです」
思った以上に大きな声が出てしまった。私を見下ろしたお兄さんが目を細めてクックッと笑う。
「紅茶、好き?」
「はい」
「じゃあこれ、置いていってやるよ」
クルリとカウンターを振り返り、手を伸ばしてそこから黒い缶の筒を取った。コツンとそれを私の前に置く。
「俺は年が明けたら新潟に戻るから、飲み切ってくれて構わない」