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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
兄弟で女の人を信じられなくなるなんて、何があったの?
聞きたくもあるけれど、拓真さんの過去を探るような事はしたくない。
みぞおち辺りでモヤモヤする不安を何とか押し込め、紅茶に口を付けた。
やっぱり温かい方が香りも味わいも良い。自然と笑みになる。
斜め向かいの克己さんから視線を感じた気がして頭を起こした。予想通り視線がぶつかって、ニコリと微笑まれる。
「……あ、の?」
「ん?」
傾いだ頭。にこやかな笑みではあるけれど……
「何か、ありますか?」
声が震えるかと思った。
「んー……拓真が君とまた会えて良かったと思って」
「……そう、ですか?」
「うん。さっき、拓真を幸せにしてって言ったけど、マスミちゃんも拓真に幸せにしてもらいなよ?」
胸の奥がギュッとなった。
「で、二人して俺に幸せ自慢してよ」
そう言って優しく笑う克己さんは何故か切実にも見えて……
もしかしたら克己さんは女の人を信じたいのかもしれない。そんな風に感じた。
「……はい」
頷いた私に克己さんは嬉しそうに口角を上げた。
「期待、してるよ」
「はい」
もう一度笑顔で返して。気付けば克己さんに抱いていた恐怖心は薄らいでいた。
聞きたくもあるけれど、拓真さんの過去を探るような事はしたくない。
みぞおち辺りでモヤモヤする不安を何とか押し込め、紅茶に口を付けた。
やっぱり温かい方が香りも味わいも良い。自然と笑みになる。
斜め向かいの克己さんから視線を感じた気がして頭を起こした。予想通り視線がぶつかって、ニコリと微笑まれる。
「……あ、の?」
「ん?」
傾いだ頭。にこやかな笑みではあるけれど……
「何か、ありますか?」
声が震えるかと思った。
「んー……拓真が君とまた会えて良かったと思って」
「……そう、ですか?」
「うん。さっき、拓真を幸せにしてって言ったけど、マスミちゃんも拓真に幸せにしてもらいなよ?」
胸の奥がギュッとなった。
「で、二人して俺に幸せ自慢してよ」
そう言って優しく笑う克己さんは何故か切実にも見えて……
もしかしたら克己さんは女の人を信じたいのかもしれない。そんな風に感じた。
「……はい」
頷いた私に克己さんは嬉しそうに口角を上げた。
「期待、してるよ」
「はい」
もう一度笑顔で返して。気付けば克己さんに抱いていた恐怖心は薄らいでいた。