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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
あの後、拓真さんと公園で私を探してくれた時のエピソードを幾つか教えてくれて、克己さんはお友達と会うために出掛けて行った。
出したままのスーツケースを目の前にして手が止まる。
拓真さんに克己さんとの事を伝えた方が良いのかな……
色々話してもらったのにわざわざホテルに泊まるのも克己さんに申し訳ない気がする。
拓真さんとはすごく出掛けたい、けど……
悩んだ結果、克己さんと話をした事と外泊しなくても大丈夫だという事をメールしてスーツケースを片付けた。
拓真さんからの返信はなく、そろそろお店に行こうかと思っていたら携帯が着信を告げて細かく振動した。
『兄貴と話したの?』
顔を見なくても拓真さんが眉を寄せて心配してくれてる姿が頭に浮かんでくる。
「はい」
『一人にしてゴメン。怖かっただろ?』
「初めはそうでしたけど……もう大丈夫です」
全然怖くないとまでは言えないけれど、克己さんが拓真さんを大切に思っているからだって分かったから……
『兄貴にも俺にも気を遣わなくて良いんだよ?』
「はい」
『……大丈夫?』
「はい」
同じ返事を繰り返すと、小さく息を吐くのが聞こえてきた。
出したままのスーツケースを目の前にして手が止まる。
拓真さんに克己さんとの事を伝えた方が良いのかな……
色々話してもらったのにわざわざホテルに泊まるのも克己さんに申し訳ない気がする。
拓真さんとはすごく出掛けたい、けど……
悩んだ結果、克己さんと話をした事と外泊しなくても大丈夫だという事をメールしてスーツケースを片付けた。
拓真さんからの返信はなく、そろそろお店に行こうかと思っていたら携帯が着信を告げて細かく振動した。
『兄貴と話したの?』
顔を見なくても拓真さんが眉を寄せて心配してくれてる姿が頭に浮かんでくる。
「はい」
『一人にしてゴメン。怖かっただろ?』
「初めはそうでしたけど……もう大丈夫です」
全然怖くないとまでは言えないけれど、克己さんが拓真さんを大切に思っているからだって分かったから……
『兄貴にも俺にも気を遣わなくて良いんだよ?』
「はい」
『……大丈夫?』
「はい」
同じ返事を繰り返すと、小さく息を吐くのが聞こえてきた。