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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
手を伸ばす前に桐生さんが内側から扉を開けてくれる。
「お待ちしておりました」
いつもの笑顔で中に招いてくれた。
「大きな荷物は奥でお預かりしましょう」
ごく自然に私の手からスーツケースを受け取って、慣れた手つきでコートを脱がせてくれる。
「あっありがとうございます」
慌てて頭を下げた私をじっと見つめ、桐生さんが少し首を傾げた。
「何か、ありました?」
そう言って右の人差し指の背でそっと頬に触れてくる。
「目が腫れてます」
心配そうにひそめられた眉ね。甘い仕草と真っ直ぐに見詰める瞳にドキッとする。急いで一歩下がって頭を左右に振った。
「だっ大丈夫、です。その、嬉しい事があって」
「……嬉しい事、ですか?」
「はい、とても温かい気持ちを頂いて、嬉しくて泣いてしまったんです。だから……」
思い出すとまた胸が熱くなる。
桐生さんが黙ったまま私の瞳を覗き込んでくる。じっと見詰めてふうっと優しい微笑みを浮かべ
「悲しい涙じゃなければ、良いんです」
頭をポンポンと撫でてくれた。
「お引き留めして失礼しました。」
「お待ちしておりました」
いつもの笑顔で中に招いてくれた。
「大きな荷物は奥でお預かりしましょう」
ごく自然に私の手からスーツケースを受け取って、慣れた手つきでコートを脱がせてくれる。
「あっありがとうございます」
慌てて頭を下げた私をじっと見つめ、桐生さんが少し首を傾げた。
「何か、ありました?」
そう言って右の人差し指の背でそっと頬に触れてくる。
「目が腫れてます」
心配そうにひそめられた眉ね。甘い仕草と真っ直ぐに見詰める瞳にドキッとする。急いで一歩下がって頭を左右に振った。
「だっ大丈夫、です。その、嬉しい事があって」
「……嬉しい事、ですか?」
「はい、とても温かい気持ちを頂いて、嬉しくて泣いてしまったんです。だから……」
思い出すとまた胸が熱くなる。
桐生さんが黙ったまま私の瞳を覗き込んでくる。じっと見詰めてふうっと優しい微笑みを浮かべ
「悲しい涙じゃなければ、良いんです」
頭をポンポンと撫でてくれた。
「お引き留めして失礼しました。」