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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
「あっちに座ろうか」
拓真さんに促され、壁際のテーブルに座ることにした。途中、桐生さん以外のホールスタッフとも挨拶をしながら席について。ようやく一呼吸。
ちらりと見たキッチンには赤ちゃんをおぶった佐伯さんとシンシアさん。何か話しながら作業してる。何だか揉めてる様に見えるけど、当然客席には聞こえて来ない。
「気になる?シンシア」
話し掛けられて拓真さんを見ると、少し眉が下がっていて。私を気にしてくれているのが分かった。だから、正直に頷いて
「どんな方なんですか?」
聞いてみた。
「うん……根は真面目だし、お節介だけど悪い奴じゃない」
一度言葉を切り、言いにくそうに口角が下がる。
「俺はその……女を大事にしろって、よく揉めてた」
それは拓真さんの言う『後ろめたい事』?
だから『毎日のようにバトルしてた』の?
「ホント酷かったから、シンシアが怒るのも当然なんだけど」
ため息を吐いて
「退いた?」
拓真さんが覗き込んで来た。心配そうに寄せられた眉。
揉める程だったというのは驚くけど、今は違うと信じてるから。
「いいえ」
左右に首を振ると拓真さんの眉が下がった。
もしかして……
拓真さんに促され、壁際のテーブルに座ることにした。途中、桐生さん以外のホールスタッフとも挨拶をしながら席について。ようやく一呼吸。
ちらりと見たキッチンには赤ちゃんをおぶった佐伯さんとシンシアさん。何か話しながら作業してる。何だか揉めてる様に見えるけど、当然客席には聞こえて来ない。
「気になる?シンシア」
話し掛けられて拓真さんを見ると、少し眉が下がっていて。私を気にしてくれているのが分かった。だから、正直に頷いて
「どんな方なんですか?」
聞いてみた。
「うん……根は真面目だし、お節介だけど悪い奴じゃない」
一度言葉を切り、言いにくそうに口角が下がる。
「俺はその……女を大事にしろって、よく揉めてた」
それは拓真さんの言う『後ろめたい事』?
だから『毎日のようにバトルしてた』の?
「ホント酷かったから、シンシアが怒るのも当然なんだけど」
ため息を吐いて
「退いた?」
拓真さんが覗き込んで来た。心配そうに寄せられた眉。
揉める程だったというのは驚くけど、今は違うと信じてるから。
「いいえ」
左右に首を振ると拓真さんの眉が下がった。
もしかして……