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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
「それが心配でシンシアさんに『関わるな』っておっしゃってたんですか?」
「……それも、ある」

それ、も?

気まずそうに視線を逸らした拓真さん。
「シンシアが真純抱き締めてるの見て、マズイと思ったんだ」
「マズイ、ですか?」
その形容詞の選択がピンとこなくて、そのまま聞き返した。
「んー……」
応えを濁していた拓真さんが目を伏せる。
「お待たせしました」
静かにテーブルに置かれたグラス。桐生さんがお水を持ってきてくれていた。
「ありがとうございます」
お礼を言った私にニコリと笑う。
「妬きもち、ですよ」
「ぇ?」
「……桐生さん」
拓真さんに制する様に名前を呼ばれたにも関わらず、桐生さんは言葉を続ける。
「シンシアさんに触られたのが、単純に気に入らなかったんですよ」

……妬きもち、なの?

桐生さんを見上げたまま、ジワリと顔が熱くなる。

拓真さんが私に妬きもちを妬いてくれたの?
……どうしよう。
嬉しい、かも……

桐生さんから向き直ると拓真さんは右肘をつき、その手で顔を覆っていて。
「あ、あの……そう、なんですか?」
つい確認してしまった。
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