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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
目を合わせていられなくて、視線を逸らした。桐生さんが持ってきてくれたお水の入った細いグラス。まだ一口も、飲んでない。
「嫌なんて思ってないよ」
聞こえてきた優しい声。
嫌、じゃないの?
否定してくれてるのに、あの時吐かれた深いため息に不安は晴れない。ギュッと手を握り顔を上げられずにいると。
「……桐生さんと話してる時、俺嫌そうに見えた?」
静かな口調。でも、そっと見上げた拓真さんの眉は下がっていて。
「ごめん」
「……っ」
「嫌な訳ない。言ったろ?真純のいない生活は、考えられないって。真純にも『離さないで』って言われてたし……俺は真純が落ち着いたら、完全にそのつもりでいた」
真面目に話して拓真さんが少し困ったように口角を引き上げる。
「俺、だけ?」
ただ、ずっとそばにいたくて、それぐらい拓真さんの事が大好きで、『離さないで』と言ったつもりだった。
一緒に暮らす事、それは拓真さんとだとしても正直まだ怖くて、そこまで考える余裕もなかった。
でも、拓真さんは……
私が落ち着いたらって、ちゃんと私の気持ちを慮(おもんぱか)った上で考えてくれたの?
「嫌なんて思ってないよ」
聞こえてきた優しい声。
嫌、じゃないの?
否定してくれてるのに、あの時吐かれた深いため息に不安は晴れない。ギュッと手を握り顔を上げられずにいると。
「……桐生さんと話してる時、俺嫌そうに見えた?」
静かな口調。でも、そっと見上げた拓真さんの眉は下がっていて。
「ごめん」
「……っ」
「嫌な訳ない。言ったろ?真純のいない生活は、考えられないって。真純にも『離さないで』って言われてたし……俺は真純が落ち着いたら、完全にそのつもりでいた」
真面目に話して拓真さんが少し困ったように口角を引き上げる。
「俺、だけ?」
ただ、ずっとそばにいたくて、それぐらい拓真さんの事が大好きで、『離さないで』と言ったつもりだった。
一緒に暮らす事、それは拓真さんとだとしても正直まだ怖くて、そこまで考える余裕もなかった。
でも、拓真さんは……
私が落ち着いたらって、ちゃんと私の気持ちを慮(おもんぱか)った上で考えてくれたの?