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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
自分の浅はかさが情けない。
でも、同時に湧いた嬉しい気持ちがそれに勝る。
一度引いた熱がじわじわ戻ってきた。顔が熱い。
「俺に嫌がられてると思って不安になったって事は、真純も望んでくれた。そう思って良い、よね?」
後ろ頭にあったはずの左手が私の頬を包んでる。親指でスイッと頬を撫でられて、伸びた指先に耳朶を擽られる。
にっこりと弧を描いた唇と綻んだ目元。
「ね、真純?」
少し首を傾げて念を押されて。
その仕草に、頭が沸騰しそう。
嬉しくて、恥ずかしくて……
「……はい」
「真純、その男誰だ?」
頷いたのとほぼ同時に掛けられた声。決して大きくないのに聞き流せない強さ。反射的に振り仰ぐ。
ど、こ?
店内を見渡すまでもなく、入り口から入ってすぐの所に……いた。
「そぉ、ちゃん?」
思わず立ち上がっていた。
何で?
壮ちゃんがここにいるの?
久しぶりに見た壮ちゃんはもう冬だと言うのに、まだ日焼けの残る肌をしていて。精悍な鋭い目に明らかに攻撃的な光を宿して拓真さんを見ていた。
「真純」
私を呼んで真っ直ぐこっちに歩いてくる。
カタンと椅子が動く音がして、拓真さんが立ち上がったのが分かった。
でも、同時に湧いた嬉しい気持ちがそれに勝る。
一度引いた熱がじわじわ戻ってきた。顔が熱い。
「俺に嫌がられてると思って不安になったって事は、真純も望んでくれた。そう思って良い、よね?」
後ろ頭にあったはずの左手が私の頬を包んでる。親指でスイッと頬を撫でられて、伸びた指先に耳朶を擽られる。
にっこりと弧を描いた唇と綻んだ目元。
「ね、真純?」
少し首を傾げて念を押されて。
その仕草に、頭が沸騰しそう。
嬉しくて、恥ずかしくて……
「……はい」
「真純、その男誰だ?」
頷いたのとほぼ同時に掛けられた声。決して大きくないのに聞き流せない強さ。反射的に振り仰ぐ。
ど、こ?
店内を見渡すまでもなく、入り口から入ってすぐの所に……いた。
「そぉ、ちゃん?」
思わず立ち上がっていた。
何で?
壮ちゃんがここにいるの?
久しぶりに見た壮ちゃんはもう冬だと言うのに、まだ日焼けの残る肌をしていて。精悍な鋭い目に明らかに攻撃的な光を宿して拓真さんを見ていた。
「真純」
私を呼んで真っ直ぐこっちに歩いてくる。
カタンと椅子が動く音がして、拓真さんが立ち上がったのが分かった。