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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
「真純、誰?」
私を振り返った拓真さんは心配そうで。壮ちゃんを見ながら庇うように間に入ってくれた。
「あっ兄です」
勘違いしてそうなその様子に慌てて拓真さんの腕を引く。
「えっ?」
もう一度振り返った驚いた顔に
「兄、なんです」
頷いて見せた。
「真純のお兄さん?」
「はい」
再度頷いている間に壮ちゃんはすぐ近くまで歩いて来ていた。今度は拓真さんに全く目もくれず
「真純」
私の名を呼ぶ。
咄嗟に前に出ようとして、拓真さんに引き留められた。壮ちゃんの眉が僅かに曇る。
「おい」
低く抑えた声。
拓真さんは顔色を変えることなく姿勢を正し、壮ちゃんに頭を下げた。
「初めまして、斎藤拓真と言います。真純さんとお付き合いさせて頂いています」
壮ちゃんがじっと拓真さんを見てる。その目は拓真さんを射ぬくかと思う程に鋭い。
「……河合壮助、真純の兄です」
感情を感じさせない声音はいつもと同じ。なのに冷たく感じるのは壮ちゃんの目が険をはらみ、拓真さんを値踏みしてる様に見えるから。初めて見る壮ちゃんの顔。啓太の事があるからと思っても、胸に嫌なモノが渦巻く。
「壮ちゃん!」
咎めるように兄を呼んだ。
私を振り返った拓真さんは心配そうで。壮ちゃんを見ながら庇うように間に入ってくれた。
「あっ兄です」
勘違いしてそうなその様子に慌てて拓真さんの腕を引く。
「えっ?」
もう一度振り返った驚いた顔に
「兄、なんです」
頷いて見せた。
「真純のお兄さん?」
「はい」
再度頷いている間に壮ちゃんはすぐ近くまで歩いて来ていた。今度は拓真さんに全く目もくれず
「真純」
私の名を呼ぶ。
咄嗟に前に出ようとして、拓真さんに引き留められた。壮ちゃんの眉が僅かに曇る。
「おい」
低く抑えた声。
拓真さんは顔色を変えることなく姿勢を正し、壮ちゃんに頭を下げた。
「初めまして、斎藤拓真と言います。真純さんとお付き合いさせて頂いています」
壮ちゃんがじっと拓真さんを見てる。その目は拓真さんを射ぬくかと思う程に鋭い。
「……河合壮助、真純の兄です」
感情を感じさせない声音はいつもと同じ。なのに冷たく感じるのは壮ちゃんの目が険をはらみ、拓真さんを値踏みしてる様に見えるから。初めて見る壮ちゃんの顔。啓太の事があるからと思っても、胸に嫌なモノが渦巻く。
「壮ちゃん!」
咎めるように兄を呼んだ。