この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
千佳ちゃんを呼んだのは桐生さん?
……でも、どうして?
私ははるちゃんにどう説明して外泊に来てるか、拓真さんに話した事はない。知ってるのは千佳ちゃんだけ。
桐生さんが千佳ちゃんを呼ぶ理由は?
「西園寺さんはお昼にテレビの仕事があったので、先に河合さんだけ来て頂いたんです。ね」
ニコリと笑い掛けられて疑問をたくさん抱えたまま、咄嗟に頷いていた。
「そうか……」
壮ちゃんは桐生さんの説明に納得したのか、それ以上千佳ちゃんの不在について追及してくる事はなかった。でも……
「君は、ここの店のスタッフなのか?」
拓真さんを見る目は相変わらずで。
「はい。ここのキッチンで調理をしています」
「そう」
短く頷いて、これ見よがしに上から下へ視線を動かす。
「壮ちゃん」
その値踏みする視線に耐えられない。今度こそ拓真さんの前に立ち抗議を込めて壮ちゃんを見上げた。
「大丈夫だよ。ありがとう、真純」
そっと肩を抱き、耳元で囁かれた。振り返った私に拓真さんが微笑んでくれる。
壮ちゃんの放つ剣呑な空気。啓太との過去のせいで拓真さんに嫌な思いをさせている。その事が凄く申し訳なく、悲しくなった。
……でも、どうして?
私ははるちゃんにどう説明して外泊に来てるか、拓真さんに話した事はない。知ってるのは千佳ちゃんだけ。
桐生さんが千佳ちゃんを呼ぶ理由は?
「西園寺さんはお昼にテレビの仕事があったので、先に河合さんだけ来て頂いたんです。ね」
ニコリと笑い掛けられて疑問をたくさん抱えたまま、咄嗟に頷いていた。
「そうか……」
壮ちゃんは桐生さんの説明に納得したのか、それ以上千佳ちゃんの不在について追及してくる事はなかった。でも……
「君は、ここの店のスタッフなのか?」
拓真さんを見る目は相変わらずで。
「はい。ここのキッチンで調理をしています」
「そう」
短く頷いて、これ見よがしに上から下へ視線を動かす。
「壮ちゃん」
その値踏みする視線に耐えられない。今度こそ拓真さんの前に立ち抗議を込めて壮ちゃんを見上げた。
「大丈夫だよ。ありがとう、真純」
そっと肩を抱き、耳元で囁かれた。振り返った私に拓真さんが微笑んでくれる。
壮ちゃんの放つ剣呑な空気。啓太との過去のせいで拓真さんに嫌な思いをさせている。その事が凄く申し訳なく、悲しくなった。