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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
私たちのグラスを見た壮ちゃんが口を開く。
「二人は飲まないのか?」
「あ、うん。喉渇いてて、いきなりお酒はちょっと……」
慌ててグラスを手に取る。緊張しているからかさっきより喉の乾きを強く感じて、半分ほど一気に飲んでしまった。
「その割に飲んでなかったようだが」
「う、ん、拓真さんと話してたから」
「……そうか」
元々壮ちゃんの言葉は抑揚が少なく、表情も分かりにくい。知らない人が見たらいつも怒っているようにも見える。本当は優しい人なんだけど……
「で、今日は千佳の家に泊まるのか?」
突然戻った質問。疑われているのか、確認されてるだけなのか、どっちか正直分からない。
「う、うん」
後ろめたい私の返事は鈍る。
はるちゃんと壮ちゃんに嘘を吐いている事もだけど、ちゃんと話せてない事が拓真さんに心苦しくて。
両脇についた手でスカートの裾をギュッと握っていた。
その手に拓真さんの手が重なる。優しい温もりは私の心の中を察し、大丈夫だと言ってくれているようで、胸が熱くなる。
自然に手から力が抜ける。ゆっくり手のひら側に回ってきた大きな手。指を絡めるように繋ぎ直された。
「二人は飲まないのか?」
「あ、うん。喉渇いてて、いきなりお酒はちょっと……」
慌ててグラスを手に取る。緊張しているからかさっきより喉の乾きを強く感じて、半分ほど一気に飲んでしまった。
「その割に飲んでなかったようだが」
「う、ん、拓真さんと話してたから」
「……そうか」
元々壮ちゃんの言葉は抑揚が少なく、表情も分かりにくい。知らない人が見たらいつも怒っているようにも見える。本当は優しい人なんだけど……
「で、今日は千佳の家に泊まるのか?」
突然戻った質問。疑われているのか、確認されてるだけなのか、どっちか正直分からない。
「う、うん」
後ろめたい私の返事は鈍る。
はるちゃんと壮ちゃんに嘘を吐いている事もだけど、ちゃんと話せてない事が拓真さんに心苦しくて。
両脇についた手でスカートの裾をギュッと握っていた。
その手に拓真さんの手が重なる。優しい温もりは私の心の中を察し、大丈夫だと言ってくれているようで、胸が熱くなる。
自然に手から力が抜ける。ゆっくり手のひら側に回ってきた大きな手。指を絡めるように繋ぎ直された。