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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
啓太の時もそうだった。食の落ちた私に啓太が色々用意してくれたけどあまり食べられなくて、助けてもらった時には大分痩せてしまっていた。その後もしばらく食べ物を受け付けられなくて、結構長い間点滴のお世話になった。
でも今回はそれ程酷くない。少し体重が落ちたくらい。
「暫くは食べられなかったけど、今は大丈夫」
嘘は余計に心配を掛けるから正直に応える。
「……そうか。何か思う事がある時は意識して食べる様、気を付けろよ」
壮ちゃんの口調は相変わらずで、でもちゃんと優しさが伝わってくる。温かくなる気持ち。
「……うん。ありがとう」
はるちゃんにも壮ちゃんにも大切にしてもらえてるんだって、そう思えた。
場が和んでホッとしていた。そこへ
「お待たせしました」
まるで計ったように桐生さんが壮ちゃん達の生ビールを持ってきた。ジョッキを二つ、グラスを一つ……
「僕もご一緒して良いですか?」
私の隣に桐生さん。何となく視線を感じるようで、どちらからともなく繋いだ手を離してしまった。
なくなった温もりが、恋しい。
トンと小さな音を立てて壮ちゃんがジョッキを下ろした。
「で、どういう事だ?誠司」
でも今回はそれ程酷くない。少し体重が落ちたくらい。
「暫くは食べられなかったけど、今は大丈夫」
嘘は余計に心配を掛けるから正直に応える。
「……そうか。何か思う事がある時は意識して食べる様、気を付けろよ」
壮ちゃんの口調は相変わらずで、でもちゃんと優しさが伝わってくる。温かくなる気持ち。
「……うん。ありがとう」
はるちゃんにも壮ちゃんにも大切にしてもらえてるんだって、そう思えた。
場が和んでホッとしていた。そこへ
「お待たせしました」
まるで計ったように桐生さんが壮ちゃん達の生ビールを持ってきた。ジョッキを二つ、グラスを一つ……
「僕もご一緒して良いですか?」
私の隣に桐生さん。何となく視線を感じるようで、どちらからともなく繋いだ手を離してしまった。
なくなった温もりが、恋しい。
トンと小さな音を立てて壮ちゃんがジョッキを下ろした。
「で、どういう事だ?誠司」