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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
壮ちゃんの一言で場の空気が緊張する。でも
「どうもこうもないですよ。見たままです」
応える桐生さんは何時もと同じ、穏やかな笑みを浮かべていて。手にしていたグラスを静かに下ろした。
「壮先輩とはる先輩に真純ちゃんの彼を紹介しようと思って。」
「……」
桐生さんに名前で呼ばれてドキッとする。
「真純ちゃんもタクも大切なので」
私達の方を見てニコリと笑う。
「お節介とは思ったのですが」
その優しい微笑みにじわりと胸が熱くなる。
でも、どうして?
拓真さんは一緒に働いてるから分かるけど、私まで……
私の疑問は顔に出ていたみたい。
桐生さんがクスリと笑う。
「ね、すみちゃん。覚えてる?はるちゃんのせいちゃん」
すみちゃん……
懐かしい呼び名。私をそう呼んでたのが……はるちゃんの、せいちゃん。
部活で帰りが遅くなったはるちゃんをいつも家の前まで送ってくれていた、学ランのお兄さん。
「えっ……桐生さんが、せい、ちゃん?」
「そう」
瞬きをして見上げた私に嬉しそうに頷いてまたニコリ。
「あんなになついてたのに、気付いてなかったのか?」
壮ちゃんに小さくため息を吐かれてしまった。
「どうもこうもないですよ。見たままです」
応える桐生さんは何時もと同じ、穏やかな笑みを浮かべていて。手にしていたグラスを静かに下ろした。
「壮先輩とはる先輩に真純ちゃんの彼を紹介しようと思って。」
「……」
桐生さんに名前で呼ばれてドキッとする。
「真純ちゃんもタクも大切なので」
私達の方を見てニコリと笑う。
「お節介とは思ったのですが」
その優しい微笑みにじわりと胸が熱くなる。
でも、どうして?
拓真さんは一緒に働いてるから分かるけど、私まで……
私の疑問は顔に出ていたみたい。
桐生さんがクスリと笑う。
「ね、すみちゃん。覚えてる?はるちゃんのせいちゃん」
すみちゃん……
懐かしい呼び名。私をそう呼んでたのが……はるちゃんの、せいちゃん。
部活で帰りが遅くなったはるちゃんをいつも家の前まで送ってくれていた、学ランのお兄さん。
「えっ……桐生さんが、せい、ちゃん?」
「そう」
瞬きをして見上げた私に嬉しそうに頷いてまたニコリ。
「あんなになついてたのに、気付いてなかったのか?」
壮ちゃんに小さくため息を吐かれてしまった。