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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
桐生さんが優しい笑みで私を見てる。そうやって就職した時からずっと見守ってくれていたんだと思うと胸の奥がほんわり温かい。
「まさかすみちゃんがタクと付き合うことになるとはね」
フフっと目を細め
「すみちゃんには黙っていましたが、タクにはすみちゃんとの事を打ち明けられ時にその場で説明させてもらいました。タクは妙に勘の鋭い所があるので、誤解を招くといけませんから」
それはもう一つ気になっていた事。桐生さんの方から教えもらって納得する。
「あー、確かに面倒な事になりそうですよね」
キッシュを食べ終わっていた千佳ちゃんが頷きながらクスクスと笑った。
「拓真、独占欲強いでしょ?」
「え?う、ん……」

強い、のかな?
拓真さんは啓太みたいに私の行動を制限したり、拘束したりして邪魔をする事はない。
男の人と話したからと言って怒ったり、滅茶苦茶に私を抱いたりもしない。
多少機嫌が悪くなる事もあるけれど……それは、独占欲が強い事になるの?

「強い方だと思うよ」
まるで私の思考を読んだかのようなタイミングで千佳ちゃんがそう言った。
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